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「荻野屋がアニメとコラボ?」の裏側にある、世界観の翻訳作業

  • 2025.7.04|
  • システムデザイン

「荻野屋がアニメとコラボ?」

そう驚かれたお客様も多かったと思います。
“老舗×アニメ”という一見ミスマッチにも思える組み合わせは、決して思いつきではありません。
むしろそれは、時代とともに変化する顧客との接点を再構築するための、極めて戦略的な挑戦でもありました。
このプロジェクトをリードしているのも、私たちシステムデザイン部(SD部)です。

IP(Intellectual Property)を活用した企画の立ち上げから、コンテンツホルダーとの交渉、企画の方向性設計、商品開発、パッケージや売場デザイン、プロモーション導線に至るまで—— そのすべてを、荻野屋というブランドの“軸”からぶれないように設計し、社内外を巻き込みながら進めていきます。

選ばれるキャラクターに、偶然はない

どんなアニメと組むのか。
その判断基準は、「有名かどうか」ではありません。
私たちが重視するのは、その作品の世界観が、荻野屋の価値観や歴史と重なる部分があるかどうか。
そして何より、その作品を愛するファンにとって、荻野屋とのコラボが“必然”だと思ってもらえるかどうかです。
たとえば、横川エリアを舞台とするシーンがある作品であれば、荻野屋の「峠の釜めし」との親和性は自然と生まれます。
キャラクターたちが“日常の中のちょっとした非日常”を大切にしている世界観であれば、荻野屋が提供してきた“旅の思い出づくり”と響き合います。
SD部では、そうした作品の背景を丁寧に読み込み、現実世界と作品の世界が上手に融合する場所はどこか、というところから逆算して企画を練り上げます。

世界観を壊さずに、ブランドを伝える
IPコラボは、単なる“販促ネタ”では終わりません。
むしろ難しいのは、作品の世界観を壊さずに、荻野屋のブランドをどう融合させるかという点です。
たとえば、パッケージデザインひとつをとっても、キャラクターを大きく載せるのか、さりげなく配置するのか。
その配置や色味、フォントの選定に至るまで、世界観に忠実であることを第一に考えています。
それでいて、荻野屋としての歴史や品格を損なわず、むしろ“らしさ”を伝える——そのバランスこそが、SD部の腕の見せどころです。
コラボグッズに添える一文や、購入特典の内容にまで「物語性」を込めることで、
“非日常の世界”に没入していたファンが、“現実の荻野屋”を訪れたくなるような体験設計を行っています。

コラボは“にぎわいの起点”。売上だけが目的ではない
もちろん、最終的に売上につながることは大切です。
しかし私たちが目指しているのは、“釜めしを買う”という行動そのものより、荻野屋に対する新しい印象を持ってもらうことです。
「なんだか気になる」
「一度行ってみたい」
「ここって昔からあるお店だったのか」
——そう思っていただけたなら、コラボ企画は半分成功です。
そして実際にお店に足を運び、釜めしを味わい、店の雰囲気やおもてなしに触れていただければ、私たちが本当に届けたい“思い出”が始まります。
SD部がIPとコラボするのは、流行を追うためではありません。
荻野屋という老舗の“芯”を守りながら、次の時代に向けて新しい接点をつくるためです。

世界観と現実の交差点をつくるために
IPコラボの仕事は、まさに「世界観の翻訳者」であること。
フィクションの中に生きるキャラクターたちの視点で、荻野屋という現実のブランドを再解釈し、その魅力をファンに届ける。
その試みは、ただの企画ではなく、**“荻野屋とお客様との新しい物語づくり”**そのものだと私たちは考えています。
だから今日もSD部は、荻野屋の裏側から静かに仕掛けを考えています。
それは、ただ食べてもらうためではなく、「想い出に残る場所」として、選ばれ続けるために。

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